【駐ウクライナ米大使館外交官、米国にて自転車事故死、水面下で何が起こっているのか】

南北アメリカ大陸NEWS

米『ABC News』によると、「駐ウクライナ大使館の外交官がメリーランド州で自転車に乗っているときトラックにはねられ死亡した」と報じた。地元警察当局は8月25日午後4時頃、べネスタリバー通り5200番地付近で自転車に乗っていた米内務省職員Sarah Joan Langenkamp氏がトラックにはねられその場で死亡、と確認している。運転手は現場付近の5244番地の駐車場に入れようとしたようだ。

◆米国務省からの帰宅途中に発生した偶発的事故なのか?

勤務先がワシントンD.Cにある国務省であるならば、自転車に乗って40分前後のところに事故現場がある。方向で言えば北西である。行き方は国務省から、駐米ウクライナ大使館付近を通ってポトマック川沿いを走るか、タンロー通りを通るかの2通りに絞られると考える。タンロー通りには奇しくも道中にはロシア連邦大使館がある。

ウクライナに侵攻しているロシア、ウクライナを支援している米国、トラックにひかれたランゲンカンプ氏は駐ウクライナ米大使館外交官とウクライナ侵攻に関連する要素がある事故に対して、国務省スポークスマンは「プライバシーと法執行機関の機密保持を考慮し、これ以上のコメントはできない」としている。このコメントはロシアが示唆している可能性も含めて、発しているものと思われる。他方、夫であるDaniel氏はキーウ大使館のスポークスマンをしていた。

◆ロシアとウクライナ、支持する米国、水面下の諜報戦と報復合戦か

8月22日、露国営通信社『タス通信』によると、アレクサンドル・ドゥーギン(Aleksandr Gel’evich Dugin)氏の娘ダリヤ・ドゥーギナ(Darya Aleksandrovna Dugina)さんが死亡した事件について、容疑者はウクライナ秘密工作員のナタリア・ウォウク(Natalia Vovk)容疑者だと明らかにした。両者共にウクライナ侵攻を擁護している。

また、同通信社は8月24日、ウクライナ中南部ザポリージャ州内の親ロ派勢力の当局者が意図的な爆破事故で死亡したと伝えている。

一方のウクライナは元ウクライナ治安当局のアスキャル・ライシェフ(Askyar Laishev)氏を爆死させている。ライシェフ氏は2014年ロシアに亡命し、ロシアがウクライナ東部のルハーンシク州を占拠、ロシア側情報機関責任者として活動していた。

ロシアが2月24日にウクライナを侵攻してから半年以上が過ぎたが、一向に終わる様子を見せない。既に出口が見えない消耗戦に入ったように筆者は思える。

今から100年前、ソビエト時代から現ロシアはウクライナを侵攻し戦争を仕掛けている。当時もウクライナ人は各国へ亡命し、ここ日本にも数千人に上ったとある。戦争の結果、ウクライナはソビエトの衛星国とされウクライナ・ソビエト社会主義共和国が誕生。ウクライナは”ソ連の穀倉”と呼ばれ、生産可能量以上をウクライナに求め、ウクライナでは350万~900万人の犠牲者(餓死者)を出している。

シベリア抑留でもそうだが、今のロシア人と話してみても、昔のイメージと今もあまり変わらないように筆者は感じる。今回のウクライナ侵攻ではロシアはどのような結末で終わらせるのか注視したい。