【トルコが22日より、マスク未着用者に罰金900トルコリラ】

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トルコ内務省が18日、武漢ウイルス対策のため全州(81州)に向け、外出時にマスク未着用者に罰金900リラ(約1万4,000円)を22日より科すと発表。900リラはトルコ平均月収の約1/4に相当する。現在トルコ81州中、48州が外出時のマスク着用義務付け、33州が公共場所でのマスク着用義務を設けているが22日以降は全州違反者に対して罰金が科せられる。ここ一週間感染者数が1,000人/1日を越えたことに危機感を感じているようだ。

◆武漢ウイルス感染者数は小康状態を維持しているが、中東エリアでイランに次ぐ多さ

トルコの感染者数は6月20日時点で前日比1214人増の18万5,245人、死者は23人増の4905人となった。中東エリアではイランに次ぐ多さだが、世界的には12番目の多さで、11番目に多いドイツ(18万9,135人)を近日中に上回る可能性が高い。感染者増加数は4月12日の5,138人/日増をピークに減少傾向にあり、5月8日以降は2,000人を切った小康状態を維持している。

エルドアン大統領はここ一週間、感染者数が1,000人/日を上回っていることに対し、「マスク着用」「ソーシャルディスタンス」「衛生の重要性」を国民に訴えている。

◆トルコの医療制度は日本と同様、国民皆保険制度を導入

国民皆保険制度は世界的に珍しく素晴らしい医療制度だ。トルコは2002年政権交代後、医療制度改革が進められ、2008年国民皆保険制度制度が導入され大きく医療制度が改善された。加えて、一定の収入以下の国民には医療サービスが無償になるグリーンカードプログラムも導入しており、日本の生活保護制度に似ている。日本と異なる点を挙げると国立系病院は無料ということだ。この制度はイギリスに似ている。ただし、無料ということで待ち時間が長いことや、ハード・ソフト面で有料サービスより劣ることもあるようだ。

トルコの武漢ウイルス感染死亡者数と呼吸器系疾患者の割合を見てみると、一般的に呼吸器疾患者が武漢ウイルスに感染すると重症化しやすいと言われている中、死亡者数が相対的に少ない要因の一つに国民皆保険制度やグリーンカードプログラムの存在が大きいのではと考えられる。

参考資料