米マイクロソフトは8月1日、新たなサービス規約を公開した。内容は現行規約(12責任制限)と全く同じだが、トランプ政権と中国共産党が対立を深まりつつある中、更に悪化すれば中国でのWindowsOSサポートが停止する可能性もあることをアジア系メディアが報じている。
◆中国サービス規約(責任制限)は現行と変わらず、且つ日本と変わらないが、米中関係が更に悪化すれば可能性が高まる
中国では10数年前まで、海賊版Windowsが90%を占めていた時期もあったが、徐々に改善されているようだが、筆者が滞在していた時は一度も正規版を見たことがなく、海賊版OSが堂々と「正規版OS」のラベルが貼られて、数百円程度で販売されていた。また、無料で海賊版OSを提供しているDLサイトが数多く存在した。そのためか、中国人口の2%も満たないマレーシアの売上高を下回るほどMSに負の影響を与えている。ここ数年、中国通販でもはっきりと分かるような海賊版のOSやオフィス系ソフトを見かけなくなった。
他方、MSサービスで、「メッセンジャー」やポータルサイト「MSN」の終了、検索エンジン「Being」のアクセス不安定などがすでに表面化しており、MSサービスが中国市場で苦戦し続けている。
◆中国でのWindowsOSユーザー数は8割以上?
地元メディアによると、中国の企業、コンシューマーも含め8割以上がMSWindowsOSを利用していると言う。内訳はWin10が33%、Win7が48.24%合わせると8割以上が利用している。
もし、仮にMSがサポートを停止しても海賊版OSや海賊版更新プログラムが出回っていた10年ほど前ならさほど大きな痛手にはならないと考えている。今はどうなのかわからないが、地元メディアは、以前のように海賊版を利用するだろうと報じている。
◆中国华为(Huawei)は、国内ノートにWindowsOSではなく、Deepin Linuxを採用
米政府のブラックリストに載せられた华为科技(Huawei Keji)は、中国国内で販売するノートの一部にWindowsOSではなく、オープンソースソフトウェア(OSS)のDeepinを採用している。
Deepinは中国武漢にある武汉深之度科技有限公司(Wuhan Shenzhidu Keji Youxiangongsi)が開発しており、WindowsOSに依存しない方法を模索してる。
Linuxのマーケットシェアは2020年6月、netmarketchareによると、WindowsOS86.6%、MacOS9.2%、LinuxOS3.61%とある。今後、中国がより完成度の高いDeepin開発すれば、数年後のOSマーケットシュアは大きく変わるのではないかと思う。価格が高すぎるWindowsOSやオフィスは、世界で大半を占める発展途上国ではシェアを伸ばせず、廉価版で対応しているが、今後中国がDeepin搭載のPCを発展途上国に安く販売することでLinuxユーザーが増える可能性が十分にある。