【オランダ、中国製マスク600,000枚リコール。中国国内で偽物・粗悪品マスクが大量に生産されている】

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武漢ウイルス感染者数10,866人、死亡者数771人のオランダ。中国から輸入したマスクは品質基準を満たしていないとオランダ当局は発表。そのマスクにはKN95品質証明書が付いており、微粒子95%以上カットするものだと言う。

オランダ保健省がリコールする前から、中国製マスクに疑問を抱いていた病院関係者

問題の中国製マスクは3月21日、オランダに届けられたものだ。今後届けられるマスクに対して、追加検査を行うと同保健省は述べている一方で、今回届けられた中国製マスクに対して、オランダの病院関係者は既にネガティブなイメージを持っていたようだ。ある病院は同保健省がリコールする前から拒否していた。さらに届かれた病院でもマスクはしないとオランダ公共放送(NOS)は報道している。

続けてNOSは、KN95と謳っている中国製マスクはEU基準で「FFP2の品質ではなく、FFP1の安全性レベルより低い!せいぜいFFP0.8ぐらいだ」、つまりFFP2の微粒子ろ過率の半分未満であったとし、大きな衝撃を与えたと伝えている。中国はオランダ以外に、セルビア、リベリア、フランス、フィリピン、チェコ共和国にも供給(取引)している。他国の状況を注視したい。

規 格ヨーロッパEN規格日本検定規格米国NIOSH規格
微粒子ろ過率PFEFFP1 : 80%以上
FFP2 : 94%以上
FFP3 : 99%以上
DS1 : 80%以上
DS2 : 95%以上
DS3 : 99.9%以上
N95 : 95%以上
N99 : 99%以上
N100 : 99.97%以上
備 考FFP : Filtering Face Piece
FFP2 : 中性能
FFP3 : 高性能
D : Disposable
(使い捨て)
S : Solid
(個体)
N:Not resistant to oil
(耐油性無し)

中国裁判所が動く!偽物・粗悪品に注意。消費者に啓蒙・注意喚起。その内容は

中国では、偽物・粗悪品が後を絶たない。先月も3,100万枚の偽物マスクが押収されている。約688件の偽物マスク製造と流通チャンネルがあり、約1,560人が逮捕されている。取り締まり中に殉職している警察関係者も少なくない。

偽物・粗悪品が氾濫する中国で、多くの中国人は一度は騙されていると言う。そのためか、購入選択できるのなら「Made in China」製品を選択しない中国人が多い。こと、マスクに関しては、もともと着用する習慣・文化がなかったためか、国が乗り出して啓蒙活動している。

中国人民法院報によると

★目利き能力を高めよ、72変化の術を見破れ

市場で売られている偽物マスクの偽物レベルが高くない。落ち着いて観察し、売り手に質問すれば簡単に鑑別することができる。①包装においても、表示項目を確認すること。②監督省庁の許認可を取得しているか、製品登録番号が正しいかどうか。③メーカ、生産日時等の基本情報は表示されているか。④正規取扱店から購入すること。緊急時には特に落ち着いて行動するよう注意を促している。★タイトルは『西遊記』孫悟空から引用・比喩している。

★レシートをもらうこと

マスクを購入したらレシートをもらうこと。レシートを受領することで権利と利益の保証になる。日本では当たり前のことだが、中国では売り手がレシートの発行、買い手がレシートを受領することがまだまだ浸透していない。先を行く台湾では苦肉の策として”レシートに宝くじ”をつけて、消費者がきちんと”もらう”ことを根付かせようとしている。

★消費者の権利を知ること

偽物を掴まされたら、自己の権利と利益を守るため以下の選択肢がある。

  1. 経営者と和解
  2. 消費者協会等と相談
  3. 監督省庁に告発
  4. 経営者と仲裁
  5. 提訴

中国人民がマスクを着用するようになったのは大気汚染がひどくなった2010年前後からだ。そのあたりから一般人民が徐々にマスクをし始めている。それまではマスクを着用するのは医療従事者ぐらいだった。それでも筆者のいた大学付属病院(病床数2,500)では手術室以外、マスクを着用している医療従事者は2割もいなかったと記憶している。

今回の武漢肺炎でなぜ中国が日本でマスクを爆買いした理由の一つに、中国で売られているマスクは劣悪品が多く、予防効果が期待できないことを知っているからだ。筆者自身、留学中住んでいた町で売られているマスクは質が悪く、予防効果のあるマスクを購入できなかったため、日本から持参していた。

参考資料